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フィンランドでのジェンダーの捉え方に迫る!

by SD学生編集部
2023年10月19日
in コラム
フィンランド トイレ
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~SDGs No.5 『ジェンダー平等を実現しよう』~

フィンランドは、ジェンダーフリー先進国としても知られており、性差別を改善する取組みや性差別の改善に繋がるような国の文化がいくつも見受けられます。

ユニセックストイレの浸透

性別に関係なく利用できる公衆トイレ“ユニセックストイレ”がフィンランドでは多くみられます。私が交換留学をしているヘルシンキ大学や、ヘルシンキ市内にある公立図書館など、いたるところでユニセックストイレを見かけます。トイレの中で異なる性別の方とすれ違うという経験には、初めはかなり違和感を覚えましたが、慣れてしまえば特に何も感じません。

特に公立図書館など大規模な公共施設でのユニセックストイレでは下の写真のように、中の人の影が見えるドアが導入されているところもあります。ジェンダーフリーであっても、誰もが安心して使えるように、或いはドラッグの使用など危険な行為のためのトイレの不正利用を防ぐために、用いられている仕組みかと思われます。

プライバシーの観点から見ると、是非が問われる仕組みかと思われますが、ジェンダーの問題と治安の問題を同時に解決するとなると、必要な仕組みになってくるのでしょうか。

フィンランド トイレ
公立図書館のユニセックストイレの様子。中に人が入ると電気がつき、ドア全体が白くなり、影が映るようになる。
一番右のトイレは私が使用した直後のため、電気がついています。

また、ユニセックストイレでなくても、フィンランドのトイレのデザインにはジェンダー平等への配慮が垣間見えます。日本では女性トイレは赤色の女性のマーク、男性トイレは青色の男性のマークのように色でも区別されていることが多くありますが、フィンランドでは以下のように、色で区別せず、マークのみで男女のトイレに分かれています。基本的に白黒で表されていることが多いかと思います。

男性・女性をそれぞれ青色・赤色と、色で結びつけるようなステレオタイプの形成を防ぐ取組みのように見受けられます。

フィンランド トイレ

ジェンダー平等を象徴し促進するフィンランド語“hän”

フィンランド語のある単語“hän”が何を意味するか知っているでしょうか。hänは、三人称の彼・彼女・またはその他(英語で言うhe・she)を指します。日本語や英語などと異なり、性別の区別がありません。このインクルーシブな人称代名詞hänは、フィンランドにおけるジェンダー平等を象徴し促進する言葉として捉えられています。

2019年には、フィンランドで始まった、平等に関する議論や会話を促すキャンペーン名としてhänは選ばれています。

フィンランド hän
出典:フィンランド政府

hänの成り立ち

今では、ジェンダーニュートラルな人称代名詞として使われているhänですが、元々は違う意味の単語として使われていました。書き言葉としてhänが初めて使われたのは、1543年に出版された“The ABC Book”です。この本はフィンランド語で初めて出版された本でもあります。とはいえ、hänはずっと昔から話し言葉として使われていました。

時代とともに、hänの意味は変化してきました。19世紀までは、hänは今よりももっと包括的な単語として使われており、動物をも指す代名詞でした。書き言葉の標準化が進められていくにつれ、hänは新たにより具体的な役割を担うことになります。hänは“動物”ではない“人間”を指す代名詞として使われるようになります。ここでhänは、性別を区別せず“すべての人”指す代名詞としての位置を確立します。

実際、フィンランド語のように中性代名詞を持つ言語は珍しくありません。約400もの言語を対象とする研究によると、67%もの言語がそのような中性代名詞を持つとのことです。とはいえ、性別を特定する代名詞を持つ英語やスペイン語など“代表的”な言語とは異なる特徴ですし、hänが時代と共に意味が変化し、ジェンダーニュートラルな代名詞としての位置を確立したというユニークな言語の歴史は、フィンランドのジェンダー平等への歩みを表す歴史的な特徴の一つではないでしょうか。

参考:hän

フィンランドが抱えるジェンダーの問題

hänという特徴的なジェンダーニュートラルな人称代名詞を持つフィンランド語であっても、ジェンダーのカテゴリーはいろいろな方法で表現されますし、ジェンダー間の不平等を表すような表現もあります。例えば、フィンランド語では、多くの職業は男性的な名称を持っており、消防士(英語でfireman, firefighter)はフィンランド語ではpalomiesと呼ばれています(-miesは-man(-男性)を意味します)。

また、言語以外においても、フィンランドも未だジェンダー平等の達成に向けて、取り組むべき課題はいくつかあります。著名な会社、メディア、政治においてリーダー・マネージャーのポジションに就いている人々を見ると、女性はまだ少数派です。また、ジェンダーによって、報酬のレベルの構造的な違いが見られる産業もいくつかあります。概して、男性が圧倒的に多数派の産業においては、男性の方が女性よりも多くの報酬を貰う傾向にあります。また、女性に対するバイオレンスも未だ重大な問題として存在しています。

具体的な対策がとられ、確かに進歩は見られていますが、継続的な関心、取組みが必要視されています。

さらなるジェンダー平等の達成へ

フィンランドは、国会の200席のうち93席(ほとんど半数)が女性によって占められているなど、ジェンダー平等の進展が見られる国として知られています。ジェンダー平等への意識は言語、日常の光景などさまざまな側面で感じられます。しかし、完璧な平等を実現するためには、まだ課題が残されていることも事実です。社会全体での意識の変革と制度の改善に向けて、さらなる努力が求められています!

文・構成・写真/SD学生編集部(M.M 在フィンランド)

Tags: ジェンダーフィンランド

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