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インド旅行を通じてサーキュラーエコノミーの原点とサステナビリティを考える

by SD学生編集部
2024年11月12日
in コラム
インド旅行を通じてサーキュラーエコノミーの原点とサステナビリティを考える
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こんにちは!学生編集部です。

私は2024年の9月下旬に1週間ほどインドに旅行に行ってきました!この記事では、「インド旅行を通じてサステナビリティについて考えたこと」をご紹介します。

インドの経済成長と自然環境

インドは14億を超える人口を抱え、世界で最も人口の多い国として知られています。その経済成長も計り知れません。この経済発展の一方で、インドの自然環境の悪化も深刻化し続けています。

例えば、大気汚染はその中でも大きな問題の一つです。私もインドのデリー空港に到着し、外に出た途端喉が痛むほど、大気汚染は深刻です。携帯電話でAppleの天気予報の大気汚染指標を確認したところ、インドの首都デリーでは東京の3倍もの値が観測されていました。実際に、デリーなど都市部では常に車の深刻な渋滞が生じており、工場等からの排気ガスも大量に排出されています。また、インドに住んでいる友人曰く、10-11月には、ヒンドゥー教徒の祭典を祝うため、大量の爆竹や花火が上げられるため、さらに大気汚染は深刻化するとのことです。

また、ゴミ問題も大きな課題です。街中にはゴミが放置されており、ゴミの分別も徹底されていません。これは都市部に限ったことでもありません。私は今回の旅行中にガンジス川の上流域のリシケシュという街にも訪れましたが、住民が山や森に大量のごみを捨てているようで、山や森が”埋立地”のようになっている光景をよく見かけました。

写真:リシケシュ・ガンジス川沿いの様子

そんな環境問題の深刻化が止まらないインドでも、国民が営む昔ながらの“サーキュラー”な暮らしや、サステナブルな新しい文化の浸透を試みる企業・政府の取り組みが見られ、サーキュラーエコノミーの原点を考えることができました。

サーキュラーエコノミーの原点が垣間見えるインドでの暮らし

インドでは、今注目されている「サーキュラーエコノミー」の原点とも言うべき、伝統的な循環型の暮らしが営まれており、その様子を街中の至る所で見かけられます。

たとえば、街中のチャイ(インド式ミルクティー)の屋台では、一般的には紙コップでチャイが提供されますが、素焼き陶器で提供する屋台もあります。

写真:素焼き陶器に入れられたチャイ

この素焼き陶器は飲み終わったあと地面に投げて粉砕し、その破片が再び新しい素焼き陶器を作る材料として使われるというサイクルが存在します。しかし、こうした仕組みには、インドのカースト制度が深く関わっていると言われています。(詳しくは後述)

また、ニューデリーで目にしたのは、牛乳の量り売り自動販売機です。この自動販売機では、各自が容器を持参し、必要な分だけの牛乳を購入することができます。下の画像は、地元の人たちが朝に牛乳量り売り自動販売機の前で並んでいるところです。

世界中でも今、量り売りの普及やプラスチックフリーの包装の使用など、持続可能な社会を実現するための工夫が増えています。日本でも環境意識の高まりとともに、こうした取り組みが注目されていますが、実はこれらのサステナブルな暮らしは、新しいアイデアではありません。

今回ご紹介したインドでは、ほとんどの人がいまだに昔ながらの伝統的な生活を営んでいます。彼らは必要な分だけを購入する量り売りを日常的に利用したり、リサイクル可能な素焼き土器を利用したりしています。ただし、彼らは「サステナブルだから」と特別に意識をしてこういった生活をしている訳ではないと思います。彼らにとって当たり前の生活を営んでいるだけなのではないでしょうか。

これを考えると、サーキュラーエコノミーやサステナブルな社会を実現する鍵は、現代の技術革新だけではなく、かつて日本でも当たり前に行われていた伝統的な生活にこそあるのではないでしょうか。日本も昔は、物を大切に使い、再利用や修理が一般的でした。余計な包装を避け、自然と共存しながら暮らしていた時代があったのです。

現代社会では、利便性が優先され、使い捨て文化が広がっていますが、持続可能な未来のためには、私たちもこのような伝統的な暮らしの知恵を見直す必要があるのかもしれません。

新たなサステナブルな習慣を浸透させる取り組み

インドでは、サステナブルな習慣の浸透に向けた様々な取り組みが進められています。街中の屋台では、バナナやドラゴンフルーツなどのトロピカルフルーツも売られていますが、「1本ください」「1房ください」というように、必要な量を指定して頼む方式です。また、私がバナナを購入した際には、新聞紙に包んで渡してくれました。クッキーや紅茶などのお土産を買った際には、袋に入れてもらうようお願いすると、ビニール袋ではなく、布製の袋に入れて渡してくれました。

どうやら、これにはインド政府のプラスチック使用規制も関連しています。

インド環境・森林・気候変動省(MoEFCC)は2022年7月にプラスチック廃棄物管理規則の規制を強化し、プラスチック廃棄物の削減とリサイクルの推進を進めています。①使い捨て用プラスチック製品、➁持ち運び用プラスチック袋、③プラスチックシート(包装資材を含む)が規制対象となっているようです。

参照:「インド社会への浸透が図られるプラスチック廃棄物管理規則(インド)」, JETRO

また、プラスチックごみ問題における対策として注目すべきは、コカ・コーラが展開する「コカ・コーラリサイクルボックス」です。このリサイクルボックスは、欧州でよく見られるペットボトルリサイクルマシーンの一種で、ニューデリー各地で設置されています。使用済みのペットボトルを投入することで、コカ・コーラIndiaの製品購入に使えるデポジットを受け取れる仕組みです。このような取り組みは、リサイクル促進とともに、消費者にサステナブルな行動を奨励する効果が期待されています。

(L-R) Greishma Singh, Vice President, Customer and Commercial Leadership, Coca-Cola India and Southwest Asia and Damodar Mall, Chief Executive Officer, Grocery Retail, Reliance Retail unveiling Reverse Vending Machines

参照:Coca-Cola India and Reliance Retail Team Up for ‘Bhool Na Jana, Plastic Bottle Lautana’ PET Collection and Recycling Initiative, PR Newswire

しかし、インドのごみ問題を語る際には、社会構造的な問題を無視することはできません。カースト制度は70年前に法律上では撤廃されましたが、その影響は現在も残っており、多くの国民の就労や貧困問題を引き起こしています。農村で生計が立てられなくなった家族が、都会に移り住んでごみ回収を生業にしているケースが多くあります。こうした人々は「ラディワラ」と呼ばれ、都市部のごみ集積場の中にスラムを作り暮らしていることもあります。

このような現状の中で、インドからプラスチック製品を一掃するという目標は、ラディワラの生活に大きな影響を与える可能性があります。彼らにとってごみ回収は主要な収入源であり、プラスチックの使用が減少すれば、あるいは回収するゴミが減少すれば、生活が立ち行かなくなる恐れがあるのです。

参照:外国人もレジ袋を使うと罰金! ごみを分別しないインドはプラスチックを本当に一掃できるのか?, GetNavi web

チャイの素焼き土器も、インドのカースト制度と密接に関連している事例の一つです。一見すると、“土器を使ったら壊し、壊れた土器を原料に新しい土器を作る”という循環型の取り組みは、非常に環境に優れた素晴らしい習慣のように思えます。しかし、この伝統的な習慣の裏には、インド社会の複雑な問題が隠されています。

実は、土器を使うたびに壊す行為は、“土器を作る”という労働機会を生み出すためでもあります。インドでは、カースト制度に根ざした社会的構造が今も影響を及ぼしており、特定の層の人々が伝統的な手作業に従事しています。土器の生産は、そのような人々にとって貴重な仕事の一つであり、持続的な生計を支える手段でもあるのです。

また、人口増加が止まらないインドでは、毎年800万〜900万人分の新規雇用機会が必要とされています。このような背景の中で、土器の循環利用は、単に環境への配慮だけでなく、雇用創出の観点からも重要な役割を果たしています。

サステナビリティの推進は、環境への影響だけでなく、社会的・経済的な影響も考慮しなければなりません。コカ・コーラのリサイクルボックスのような新しいサステナブルな習慣を浸透させ、環境への影響を軽減させつつ、社会的・経済的安定を向上させる新たな施策が必要となるでしょう。

文・構成・写真/SD学生編集部(M.M)


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