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微生物の力でもっとサステナブルな暮らしを「Aivan」「Solar Foods」

by SD学生編集部
2022年11月3日
in グローバル
Aivan_Korvaa-headset
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微生物は目に見えないほど小さな生き物ですが、環境問題の解決に貢献しうる大きなポテンシャルを秘めています!微生物は下水・排水処理や生ごみの堆肥化、環境汚染の浄化など様々な分野で活躍しています。これを可能にしているのが、有機物を分解し、それを別の物質に変化させる「発酵」という「微生物」の力です。

近年では、この発酵という微生物の力に注目し、多くの海外企業が微生物由来の新素材を作ろうと研究開発を進めています!そこで、本記事では”微生物由来の新素材のみで作られたヘッドフォン”や”微生物由来の代替タンパク質”の紹介をしていきます。

微生物とは

微生物とは、目に見えないくらい小さな生物のことを指します。細菌や、菌類、微細藻類、原生動物などが含まれており、そのほとんどが1mm以下の大きさです。カビやキノコのように微生物がたくさん集まれば肉眼で見ることができます。ただし、たとえ肉眼では見ることが出来なくても、微生物は私たちの見えないところで人々の生活に大きな影響を与えています。

微生物由来の素材だけで作られたヘッドフォン

フィンランドの民間デザイン会社Aivanはフィンランドの VTT 技術研究センター、アールト大学と共同で、微生物・菌類を利用し、自然由来の素材のみで構成されたヘッドフォン”Korvaa Headset”を開発研究していると2019年に発表しました。

従来のヘッドフォンには硬質プラスチックや、柔軟なメッシュ、革、など様々な素材が使用されていますが、このヘッドフォンは微生物・菌類の力を利用し開発された多様な新代替素材を用いて作られています。

化石資源由来の素材(例:プラスチック)を使わず、自然由来の素材のみで製品を作ることで、製造時のCO2の排出・地球温暖化への影響を最小化することが目指されているのです。

Aivan_Korvaa-headset
写真1(出所:Aivan Korvaa )

たとえばヘッドバンドやアームなどは、イースト菌由来の乳酸を使って作られたバイオプラスチックを用いて3Dプリンターで成形して作られており(写真2中央部)、皮膚に触れるカバーの部分は糸状菌(カビの一種)の菌糸体と植物セルロースによって作られ(写真2左から2番目)、イヤーパッドは真菌によって作られる発泡タンパク質と植物セルロースでできています(写真2右から2番目)。

Aivan_Korvaa-headset
写真2(出所:Aivan Korvaa)

今回発表された製品には重要な電子機器は含まれておらず、あくまでプロトタイプにすぎません。Avianは「すぐには完成品が市場に出回らないかもしれないが、この完全微生物由来ヘッドフォンのコンセプトを更に発展させていきたい」と述べており、国や民間からの資金提供を受けながら研究開発を続けています。

微生物由来の新たなタンパク質

フィンランドの食品技術会社Solar Foods社は微生物由来のタンパク質食品Soleinの研究開発を進めています。2017年に設立された同社は2021年に最初の工場Factory01建設を開始しました。2024年には工場の稼働を開始し、シンガポールを第一の市場として販売を開始すると発表しています。

Solein
Solein(出所:Solar Foods)

「空気・電気から作られるプロテイン」、同社の公式サイトでそう謳われている近未来的なタンパク質の作り手をまさに微生物が担っているのです!

Soleinの作り方は以下の通りです。

① 水を電気分解して水素と酸素に分ける
② 微生物に二酸化炭素、酸素、水素を与える
③ 微生物は②の成分を栄養分として消費し、取り込んだCO2をタンパク質として貯蔵する
④ ③で貯蔵されたタンパク質を乾燥し、粉末にする

Solein Process
Solein Process(出所:Solar Foods)

こうして生産された粉末状のタンパク質がSoleinです。また、③の過程で微生物は空気を栄養分として消費すると同時に増殖していくため、タンパク質の大量生産の仕組みも整っているのです。

Soleinはタンパク質含有率が65%〜70%と非常に高く、9つの必須アミノ酸がすべて含まれている、など優れた栄養素をもつタンパク質源です。牛肉、鶏肉のタンパク質含有率が56%、52%であることと比べると、その凄さが分かるのではないでしょうか?

そして、Soleinの注目すべき特徴は優れた栄養価のみではありません。Soleinの製造が与える環境負荷は非常に小さいため、サステナブルなタンパク質として注目されています。

そもそも、従来のタンパク質源である家畜や大豆を育てるためには大量の水や土地を必要とし、生産時には多量の温室効果ガスが排出されています。一方で、Soleinの生産に必要なものはほんの少しの水と土地、電気のみで、排出される温室効果ガスもごく少量です。同社の公式資料によると、生産時に必要な水は牛肉の700分の1、土地は200分の1で、生産過程で排出される温室効果ガスは牛肉の200分の1とのことです。さらにSoleinの生産は気候にも左右されないため、非常に安定的に生産ができるという意味でもサステナブルなタンパク質と言えるでしょう。

同社のCEOのPasi Vainikka氏は「私たちは第4次農業革命の最中におり、Soleinはその一部です。Factory 01(Solar Foods社の最初の商用生産工場)は先陣を切って、世界で最もサステイナブルなタンパク質を世界に届けます。」とコメントしています。

肉、魚に次ぐ第三の主要タンパク質源となる日もそう遠くないかもしれません。

Solein
Solein(出所:Solar Foods)

「化石資源フリー×完全微生物由来」の素材で作られたヘッドフォンや、「微生物の力を利用して空気と電気だけで」作られたタンパク質。微生物には、私たちの暮らしをもっとサステナブルなものへとシフトさせる大きな可能性が潜んでいます。これからの”微生物×サステナビリティ”分野の盛り上がりに期待していきたいですね。

文・構成/SD学生編集部(M.M)

Tags: タンパク質微生物

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